パルミジャーノ・レッジャーノ・チーズが危機
イタリアの『
コリエレ・デラ・セーラ』紙によると、
現在、パルミジャーノ・レッジャーノ・チーズの生産者らが苦境に陥っているとのことです。
2012年5月、
パルミジャーノチーズの生産地であるエミリア地方を襲った地震により、地元農家は、甚大な被害を受けました。
しかし、ネットを通して世界中から支援が集まり、
すぐに、チーズの生産は再開されました。
それでも、パルミジャーノチーズ業界の苦難は、今も続いているようです。
『コリエレ』紙のインタビューを受けたアルバラット農場のビリアルディさんによれば、
2012年の地震により、農場の倉庫は倒壊。
地震から立ち直るも、2013年11月、今度は、
チーズの原木380個が盗難に遭います。
その後、大雨による
洪水にも見舞われ、
チーズを出荷するための
トラックも出発できない状況が続いたとのこと。
2014年、業績の回復を期待していたものの、
続く
不況により、イタリア国内のチーズの値段は下がる一方。
以前、1キロあたり9~11ユーロの値がついていたのが、
現在は、わずか7ユーロほどとなり、経費をまかなうことも難しい状況だそうです。
イタリア国内では、不況から、高価なパルミジャーノチーズを敬遠する家庭も多くなっているようです。
また、対外的にも、
EUからロシアへの禁輸措置で、輸出が大幅に減少。
これらの影響は、特に小規模農場にとって、非常に厳しいもので、
生き残るためには、大企業と提携せざるをえない状況にまで追い込まれているようです。
この状況の打開に、ボローニャ近郊でチーズ農場を営むカレッティさんは、
イタリアの景気が回復するまでの間、
「国外で新たな市場を開拓する必要がある」と『コリエレ』紙に語っています。
別の農場を営むドッティさんも、苦境に立たされている農家の一人。
それでも、
「我々はパルミジャーノの生産者。だから、パルミジャーノチーズを作り続けるのさ。」
と、気丈に語っています。
日本でも、パルミジャーノチーズの愛好者は少なくないと思われます。
それでも、安価なパルメザンチーズで済ませてしまう方は多いでしょう。
それに、近年では、パルミジャーノチーズとよく似た味のグラーナ・パダーノチーズも普及してきているようです。
グラーナチーズは、パルミジャーノチーズのように
イタリア国内のDOP認定を持つ高品質ながらも、
パルミジャーノチーズよりは、若干、安価な点が魅力ではないでしょうか。
パルミジャーノの代用にと、グラーナを購入する方も増えてきているでしょう。
それでも、ナンバーワンは、
あの香ばしく、深みがあり濃厚な味、ちょうど良い歯ごたえの
パルミジャーノチーズでしょう。
パルミジャーノチーズの生産者の方々には、この苦境を乗り越え、
これからも、おいしいパルミジャーノチーズを提供し続けてほしいですね。
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