バルサミコ酢(アチェト・バルサミコ・ディ・モデナ)の地震被害2012年5月20日、
29日に襲った
イタリア北部(エミリア・ロマーニャ)地震の影響で、
特産のバルサミコ酢にも大きな被害が出ている。
被害が大きいのは、特に震源に近いモデナ北部、平野部のバルサミコ酢農場。
モデナバルサミコ酢組合によると、20日の地震の被害は、1000万から1500万ユーロ(
10億~15億円)に上るという。
被災地のモデナ北部には、10軒ほどのIGP指定モデナバルサミコ酢工場があるほか、日本でも有名な高級バルサミコ酢、
DOP指定モデナバルサミコ酢トラディツィオナーレの農場も数多く位置する。
DOP指定バルサミコ・トラディツィオナーレの生産農家では、バルサミコ酢の
熟成樽が倒れるなどの被害があったほか、地震の強い振動で、樽を止める金属製の枠がずれ、中の
バルサミコ酢が流出するという被害も。
流出したバルサミコ酢の市場価格は、1リットル当たり、500から1500ユーロ(5万~15万円)だという。
熟成期間が25年から50年におよぶバルサミコ酢もあり、その被害は計り知れない。
バルサミコ酢の熟成室は、古くから続く農家の屋根裏が多く、20日の地震後、建物に亀裂が入るなどの被害があったことから、回復作業が難航していた。
その矢先に起こった29日の地震で、
多くの生産農家は存続の危機に追い込まれているという。
比較的大規模な生産が行われている、
IGP指定のモデナバルサミコ酢は、20日の地震後、
約10万リットルの流失が確認されている。市場価格は1リットルあたり4~20ユーロ。
生産工場では、天井が落下するなどし、出荷前のバルサミコ酢の瓶が割れるなどの被害があったほか、機械にも被害が出ている。
地震後のIGP指定バルサミコ酢工場の写真(『レプッブリカ』紙)29日の地震後の被害総額は、今のところ、モデナバルサミコ酢組合から発表されていない模様。
アチェート・バルサミコ・トラディツィオナーレ(aceto balsamico tradizionale。伝統的なバルサミコ酢。以下トラディツィオナーレ)は最低12年の熟成や、原料のブドウの種類、その他細かな製法が法律で定められているもの。エミリア・ロマーニャ州のモデナまたはレッジョ・エミリアで作られた(12年物・25年物の2種類のみの)トラディツィオナーレだけがDOPの指定を受けることができ、日本では特にモデナ産が有名である。 (ウィキペディア)
IGP指定のバルサミコ酢は、トラディツィオナーレDOPと比べ、材料や製法などの基準がゆるい。熟成期間は最低3年。
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