ボアテングが人種差別のチャントに激怒 ミランは試合をボイコットヴァレーゼ県ブスト・アルシツィオで行われた親善試合プロ・パトリア対ACミラン。
久しぶりのビッグ・マッチに、地元の子供たちが多く集まり、試合を楽しみにしていたのですが・・・
試合が始まると、
50人ほどのウルトラスが人種差別的チャントを開始。
イタリアTV『メディアセット』によると、このチャントは、ミランの黒人選手である
ボアテング、ニアン、エマヌエルソン、ムンタリに向けられていたようです。
↑エジプト人のハーフ、エル・シャラウィは対象にならなかったようですね。
前半26分、ついに
堪忍袋の緒が切れたボアテングは、
ボールを手に取り、観客席にいたウルトラスに向けて蹴りこみました。ボアテングは、ウルトラスを非難すると、躊躇することなく、ユニフォームを脱ぎ、そのままロッカールームへと向かいました。
大部分の観客は、これを支持。
ボアテングは、拍手の中、ピッチを去りました。
ACミランの主将のアンブロジーニが、
このまま試合をボイコットすることを決断し、試合は中止されました。
「許容することができない人種差別だ。
なんらかのメッセージを発信するべきだった。」
と、ボイコット後の会見で、アンブロジーニは語っています。
ACミラン会長のシルヴィオ・ベルルスコーニ氏もボイコットを支持し、
電話で、ボアテングにねぎらいの言葉をかけたそうです。
CNNのインタビューを受けたボアテングは
「何の試合であろうと構わない。
親善試合であろうと、国際試合であろうと、代表戦であろうとね。
昨日みたいなことがまた起きたら、僕はピッチを去るつもりだ。 チャンピオンズ・リーグでもそうするつもりだ。」
とコメント。
さらに、ミランのサイトでも、
「リオ・ファーディナンドやパトリック・ヴィエラから支持してもらえたことは、僕にとって重要だ。
昨日、主審は僕に気にするなって言っていたけど、
あれは、気になる。いいことじゃないし。
僕は怒っていたけど、同時に悲しかったんだ。
何故、2013年にもなって、こんなことが起きるのかってね。」
と、悲しみを吐露しています。
ボアテングとともにチャントの対象になったムンタリもCNNのインタビューで、
「毎回、僕らは何も聞いていないと言って家に帰ることはできないと思う。
立ち止まって、目を開くことも必要だ。
あれは、100%人種差別だったし、
サッカーや僕らのチームとは全く関係のないことだった。
だからこそ、僕はこうしたんだ。」
とコメントしています。
ヴァレーゼ県警とブスト・アルシツィオ署は、プロ・パトリアxミラン戦で差別チャントが始まった直後から、
「人種差別的表現の流布」の疑いで捜査を開始し、
ビデオカメラの映像から、ブスト・アルシツィオ在住で20歳の男を割り出したそうです。
このほか、チャントに関わったとされる5人のウルトラスが尋問を受ける見込みだそうです。
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